第1節 犯則事件の調査(第119条―第136条)/関税法


(昭和二十九年四月二日法律第61号)

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最終改正:平成一五年七月一八日法律第124号

(最終改正までの未施行法令)
平成十四年十二月十三日法律第152号(一部未施行)
平成十五年七月十八日法律第124号(未施行)
 

  関税法(明治三十二年法律第61号)の全部を改正する。


    第1節 犯則事件の調査

(質問、検査又は領置)
第119条  税関職員は、犯則事件を調査するため必要があると認めるときは、犯則嫌疑者若しくは参考人に対して出頭を求め、これらの者に対して質問し、これらの者が所持する物件若しくは犯則嫌疑者が置き去つた物件を検査し、又はこれらの者が任意に提出した物件若しくは犯則嫌疑者が置き去つた物件を領置することができる。

(開示の請求)
第120条  税関職員は、犯則の事実を証明するに足りる物件を身辺にかくしていると認められる者があるときは、当該物件の開示を求めることができる。

(臨検、捜索又は差押)
第121条  税関職員は、犯則事件を調査するため必要があるときは、その所属官署の所在地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所の裁判官があらかじめ発する許可状により、臨検、捜索又は差押をすることができる。
 前項の場合において急速を要するときは、税関職員は、臨検すべき場所、捜索すべき場所、身体若しくは物件又は差し押えるべき物件の所在地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所の裁判官があらかじめ発する許可状により、前項の処分をすることができる。
 税関職員は、第1項又は前項の許可状(以下「許可状」という。)を請求する場合においては、犯則事件が存在すると認められる資料を提供しなければならない。
 前項の請求があつた場合においては、地方裁判所又は簡易裁判所の裁判官は、臨検すべき場所、捜索すべき場所、身体若しくは物件又は差し押えるべき物件並びに請求者の官職氏名、有効期間、その期間経過後は執行に着手することができずこれを返還しなければならない旨、交付の年月日及び裁判所名を記載し、自己の記名押印した許可状を税関職員に交付しなければならない。この場合において、犯則嫌疑者の氏名又は犯則の事実が明らかであるときは、これらの事項をも記載しなければならない。
 税関職員は、許可状を他の税関職員に交付して、臨検、捜索又は差押をさせることができる。

(郵便物等の差押)
第122条  税関職員は、犯則事件を調査するため必要があるときは、許可状の交付を受けて、犯則嫌疑者から発し、又は犯則嫌疑者に対して発した郵便物、信書便物又は電信についての書類で法令の規定に基づき通信事務を取り扱う者が保管し、又は所持するものを差し押えることができる。
 税関職員は、前項の規定に該当しない郵便物、信書便物又は電信についての書類で法令の規定に基づき通信事務を取り扱う者が保管し、又は所持するものについては、犯則事件に関係があると認めるに足りる状況があるものに限り、許可状の交付を受けて、これを差し押えることができる。
 税関職員は、前2項の規定による処分をした場合においては、その旨を発信人又は受信人に通知しなければならない。但し、通知によつて犯則事件の調査が妨げられる虞がある場合は、この限りでない。

(現行犯事件の臨検、捜索又は差押)
第123条  税関職員は、現に犯則を行い、又は現に犯則を行い終つた際に発覚した事件について、その証拠となると認められるものを取り集めるため必要であつて、且つ、急速を要し、許可状の交付を受けることができないときは、その犯則の現場において第121条第1項(臨検、捜索又は差押)の処分をすることができる。
 税関職員は、現に犯則に供した物件若しくは犯則により得た物件を所持し、又は顕著な犯則の跡があつて犯則を行つてから間がないと明らかに認められる者がある場合において、その証拠となると認められるものを取り集めるため必要であつて、且つ、急速を要し、許可状の交付を受けることができないときは、その者の所持する物件に対して第121条第1項(臨検、捜索又は差押)の処分をすることができる。

(臨検、捜索又は差押の夜間執行の制限)
第124条  臨検、捜索又は差押は、許可状に夜間でも執行することができる旨の記載がなければ、日没から日出までの間には、してはならない。但し、旅館、飲食店その他夜間でも公衆が出入することができる場所でその公開した時間内にこれらの処分をする場合及び前条の規定により処分をする場合は、この限りでない。
 日没前に開始した臨検、捜索又は差押は、必要があると認めるときは、日没後まで継続することができる。

(許可状の呈示)
第125条  臨検、捜索又は差押の許可状は、これらの処分を受ける者に呈示しなければならない。

(身分の証明)
第126条  税関職員は、この節の規定により質問、検査、領置、臨検、捜索若しくは差押をし、又は開示を求めるときは、その身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。

(臨検、捜索又は差押に際しての必要な処分)
第127条  税関職員は、臨検、捜索又は差押をするについて必要があるときは、錠をはずし、封を開き、その他必要な処分をすることができる。
 前項の処分は、差押物件又は領置物件についても、することができる。

(処分中の出入の禁止)
第128条  税関職員は、この節の規定により質問、検査、領置、臨検、捜索若しくは差押をし、又は開示を求める間は、何人に対しても、許可を受けないでその場所に出入することを禁止することができる。

(責任者等の立会)
第129条  税関職員は、船舶、航空機、車両又は倉庫その他の場所で臨検、捜索又は差押をするときは、その所有者若しくは管理者(これらの者の代表者、代理人その他これらの者に代るべき者を含む。)又は成年に達したこれらの者の使用人若しくは同居の親族を立ち会わせなければならない。
 前項の場合において同項に規定する者を立ち会わせることができないときは、その隣人で成年に達した者又はその地の警察官若しくは地方公共団体の職員を立ち会わせなければならない。
 第123条(現行犯事件の臨検、捜索又は差押)の規定により臨検、捜索又は差押をする場合において、急速を要するときは、前2項の規定によることを要しない。
 女子の身体について捜索するときは、成年の女子を立ち会わせなければならない。但し、急速を要する場合は、この限りでない。

(警察官等の援助)
第130条  税関職員は、臨検、捜索又は差押をするに際し必要があるときは、警察官又は海上保安官の援助を求めることができる。

(調書の作成)
第131条  税関職員は、この節の規定により質問、検査、領置、臨検、捜索又は差押をしたときは、その調書を作り、質問を受けた者又は立会人に示し、これらの者とともにこれに署名押印しなければならない。但し、質問を受けた者又は立会人が署名押印せず、又は署名押印することができないときは、その旨を附記すれば足りる。

(領置目録又は差押目録)
第132条  税関職員は、領置又は差押をしたときは、その目録を作り、領置物件又は差押物件の所有者若しくは所持者又はこれらの者に代るべき者にその謄本を交付しなければならない。

(領置物件又は差押物件の処置)
第133条  運搬又は保管に不便な領置物件又は差押物件は、その所有者又は所持者その他税関職員が適当と認める者に、その承諾を得て、保管証を徴して保管させることができる。
 税関長は、領置物件又は差押物件が腐敗し、若しくは変質したとき、又は腐敗若しくは変質の虞があるときは、政令で定めるところにより、公告した後これを公売に付し、その代金を保管することができる。
 第84条第3項及び第4項(収容貨物の随意契約による売却等)の規定は、前項の公売について、同条第5項の規定は、領置物件又は差押物件について準用する。

(領置物件又は差押物件の返還等)
第134条  税関長は、領置物件又は差押物件について留置の必要がなくなつたときは、その返還を受けるべき者にこれを還付しなければならない。
 税関長は、前項の領置物件又は差押物件の返還を受けるべき者の住所若しくは居所がわからないため、又はその他の事由に因りこれを還付することができない場合においては、その旨を公告しなければならない。
 前項の公告に係る領置物件又は差押物件について、公告の日から六月を経過しても還付の請求がないときは、これらの物件は、国庫に帰属する。
 第1項の場合において、同項の領置物件又は差押物件について関税が納付されていないときは、当該関税をこれらの物件の返還を受けるべき者(関税が納付されていないことを知らないでこれらの物件を所持することとなつたと認められる者を除く。以下この条において同じ。)から直ちに徴収する。
 前条第2項の規定により公売に付され、又は同条第3項において準用する第84条第3項(収容貨物の随意契約による売却)の規定により売却された領置物件又は差押物件の代金を第1項の規定により返還を受けるべき者に還付する場合において、これらの物件について関税その他の国税が納付されていないときは、当該関税その他の国税を直ちに徴収する。この場合においては、当該代金をもつて当該関税その他の国税に充てる。
 税関長は、前条第2項の規定により公売に付した領置物件若しくは差押物件の代金で第140条(検察官への引継)の規定により検察官に引き継がれたもの又は刑事訴訟法の規定により売却された外国貨物の代金が同法の規定によりその返還を受けるべき者に還付される場合において、これらの物件又は貨物につき関税が納付されていないときは、当該関税を当該代金の返還を受けるべき者から直ちに徴収する。
 第97条第4項(関税の賦課手続の調整)の規定は、前3項の場合について準用する。この場合において、同条第4項中「同項の処分をする者によつて占有された時」とあるのは、「領置又は差押えがされた時」と読み替えるものとする。

(管轄区域外における職務の執行)
第135条  税関職員は、犯則事件を調査するため必要があると認めるときは、その所属する税関の管轄区域外においてその職務を執行することができる。

(税関職員以外の公務員の通知)
第136条  税関職員以外の公務員は、犯則嫌疑事件を発見し、又は捜査したときは、直ちにこれを税関に通知しなければならない。

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