第二款 公売(第94条―第108条)/国税徴収法


(昭和三十四年四月二十日法律第147号)

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最終改正:平成一五年五月三〇日法律第54号


  国税徴収法(明治三十年法律第21号)の全部を改正する。


     第二款 公売

(公売)
第94条  税務署長は、差押財産を換価するときは、これを公売に付さなければならない。
 公売は、入札又はせり売の方法により行わなければならない。

(公売公告)
第95条  税務署長は、差押財産を公売に付するときは、公売の日の少なくとも十日前までに、次に掲げる事項を公告しなければならない。ただし、公売に付する財産(以下「公売財産」という。)が不相応の保存費を要し、又はその価額を著しく減少するおそれがあると認めるときは、この期間を短縮することができる。
 公売財産の名称、数量、性質及び所在
 公売の方法
 公売の日時及び場所
 売却決定の日時及び場所
 公売保証金を納付させるときは、その金額
 買受代金の納付の期限
 公売財産の買受人について一定の資格その他の要件を必要とするときは、その旨
 公売財産上に質権、抵当権、先取特権、留置権その他その財産の売却代金から配当を受けることができる権利を有する者は、売却決定の日の前日までにその内容を申し出るべき旨
 前各号に掲げる事項のほか、公売に関し重要と認められる事項
 前項の公告は、税務署の掲示場その他税務署内の公衆の見やすい場所に掲示して行う。ただし、他の適当な場所に掲示する方法、官報又は時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲げる方法その他の方法をあわせて用いることを妨げない。

(公売の通知)
第96条  税務署長は、前条の公告をしたときは、同条第1項各号(第8号を除く。)に掲げる事項及び公売に係る国税の額を滞納者及び次に掲げる者のうち知れている者に通知しなければならない。
 公売財産につき交付要求をした者
 公売財産上に質権、抵当権、先取特権、留置権、地上権、賃借権その他の権利を有する者
 税務署長は、前項の通知をするときは、公売財産の売却代金から配当を受けることができる者のうち知れている者に対し、その配当を受けることができる国税、地方税その他の債権につき第130条第1項(債権現在額申立書の提出)に規定する債権現在額申立書をその財産の売却決定をする日の前日までに提出すべき旨の催告をあわせてしなければならない。

(公売の場所)
第97条  公売は、公売財産の所在する市町村(特別区を含む。以下同じ。)において行うものとする。ただし、税務署長が必要と認めるときは、他の場所で行うことができる。

(見積価額の決定)
第98条  税務署長は、公売財産の見積価額を決定しなければならない。この場合において、必要と認めるときは、鑑定人にその評価を委託し、その評価額を参考とすることができる。

(見積価額の公告等)
第99条  税務署長は、公売財産のうち次の各号に掲げる財産を公売に付するときは、当該各号に掲げる日までに見積価額を公告しなければならない。
 不動産、船舶及び航空機 公売の日から三日前の日
 せり売の方法又は第105条第1項(複数落札入札制)に規定する方法により公売する財産(前号に掲げる財産を除く。) 公売の日の前日(当該財産につき第95条第1項ただし書(公売公告)に該当する事実があると認めるときは、公売の日)
 その他の財産で税務署長が公告を必要と認めるもの 公売の日の前日
 税務署長は、見積価額を公告しない財産を公売するときは、その見積価額を記載した書面を封筒に入れ、封をして、公売をする場所に置かなければならない。
 第95条第2項の規定は、第1項の公告について準用する。ただし、税務署長は、公売財産が動産であるときに限り、その財産に見積価額を記載した用紙をはりつけて、この公告に代えることができる。
 税務署長は、第1項の場合において、公売財産上に賃借権(不動産又は船舶に係るものに限る。)又は地上権があるときは、あわせてその存続期限、借賃又は地代その他これらの権利の内容を公告しなければならない。

(公売保証金)
第100条  公売財産の入札又はせり売に係る買受の申込(以下「入札等」という。)をしようとする者は、税務署長が公売財産の見積価額の百分の十以上の額により定める公売保証金を現金(国税の納付に使用することができる小切手のうち銀行の振出に係るもの及びその支払保証のあるものを含む。以下第115条第3項(買受代金の納付の期限)において同じ。)で納付しなければならない。ただし、税務署長は、公売財産の見積価額が政令で定める金額以下である場合又は買受代金を売却決定の日に納付させるときは、その納付を要しないものとすることができる。
 公売財産の入札等をしようとする者(以下「入札者等」という。)は、前項ただし書の規定の適用を受ける場合を除き、公売保証金を納付した後でなければ、入札等をすることができない。
 公売財産の買受人は、その納付した公売保証金を買受代金に充てることができる。ただし、第115条第4項(売却決定の取消)の規定により売却決定が取り消されたときは、その公売に係る国税に充て、なお残余があるときは、これを滞納者に交付しなければならない。
 税務署長は、次の各号に掲げる場合には、遅滞なく、当該各号に規定する公売保証金をその納付した者に返還しなければならない。
 第104条から第105条まで(最高価申込者等の決定)の規定により最高価申込者及び次順位買受申込者(以下この項、第106条第1項及び第2項(入札又は競り売りの終了の告知等)、第108条第1項及び第2項(公売実施の適正化のための措置)並びに第114条(買受申込み等の取消し)において「最高価申込者等」という。)を定めた場合において、他の入札者等の納付した公売保証金があるとき。
 入札等の価額の全部が見積価額に達しないことその他の理由により最高価申込者を定めることができなかつた場合において、入札者等の納付した公売保証金があるとき。
 第114条の規定により最高価申込者等又は買受人がその入札等又は買受けを取り消した場合において、その者の納付した公売保証金があるとき。
 第115条第3項(買受代金の納付)の規定により最高価申込者が買受代金を納付した場合において、次順位買受申込者が納付した公売保証金があるとき。
 第117条(国税の完納による売却決定の取消し)の規定により売却決定が取り消された場合において、買受人の納付した公売保証金があるとき。

(入札及び開札)
第101条  入札をしようとする者は、その住所又は居所、氏名(法人にあつては、名称。以下同じ。)、公売財産の名称、入札価額その他必要な事項を記載した入札書に封をして、これを徴収職員に差し出さなければならない。この場合において、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成十四年法律第151号)第3条第1項(電子情報処理組織による申請等)の規定により同項に規定する電子情報処理組織を使用して入札がされる場合には、入札書に封をすることに相当する措置であつて財務省令で定めるものをもつて当該封をすることに代えることができる。
 入札者は、その提出した入札書の引換、変更又は取消をすることができない。
 開札をするときは、徴収職員は、入札者を開札に立ち会わせなければならない。ただし、入札者が立ち会わないときは、税務署所属の他の職員を開札に立ち会わせなければならない。

(再度入札)
第102条  税務署長は、入札の方法により差押財産を公売する場合において、入札者がないとき、又は入札価額が見積価額に達しないときは、直ちに再度入札をすることができる。この場合においては、見積価額を変更することができない。

(せり売)
第103条  せり売の方法により差押財産を公売するときは、徴収職員は、その財産を指定して、買受の申込を催告しなければならない。
 徴収職員は、せり売人を選び、差押財産のせり売を取り扱わせることができる。
 前条の規定は、差押財産のせり売について準用する。

(最高価申込者の決定)
第104条  徴収職員は、見積価額以上の入札者等のうち最高の価額による入札者等を最高価申込者として定めなければならない。
 前項の場合において、最高の価額の入札者等が二人以上あるときは、更に入札等をさせて定め、なおその入札等の価額が同じときは、くじで定める。

(次順位買受申込者の決定)
第104条の2  徴収職員は、入札の方法により不動産、船舶、航空機、自動車、建設機械、小型船舶、債権又は電話加入権以外の無体財産権等(以下「不動産等」という。)の公売をした場合において、最高価申込者の入札価額(以下この条において「最高入札価額」という。)に次ぐ高い価額(見積価額以上で、かつ、最高入札価額から公売保証金の額を控除した金額以上であるものに限る。第3項において同じ。)による入札者(前条第2項の規定によりくじで最高価申込者を定めた場合には、当該最高価申込者以外の最高の価額の入札者とする。第3項において同じ。)から次順位による買受けの申込みがあるときは、その者を次順位買受申込者として定めなければならない。
 前項の次順位による買受けの申込みは、最高価申込者の決定後直ちにしなければならない。
 第1項の場合において、最高入札価額に次ぐ高い価額による入札者が二人以上あるときは、くじで定める。

(複数落札入札制による最高価申込者の決定)
第105条  税務署長は、種類及び価額が同じ財産を一時に多量に入札の方法により公売する場合において、必要があると認めるときは、その財産の数量の範囲内において入札をしようとする者の希望する数量及び単価を入札させ、見積価額以上の単価の入札者のうち、入札価額の高い入札者から順次その財産の数量に達するまでの入札者を最高価申込者とする方法(以下「複数落札入札制」という。)によることができる。この場合において、最高価申込者となるべき最後の順位の入札者が二人以上あるときは、入札数量の多いものを先順位の入札者とし、入札数量が同じときは、くじで先順位の入札者を定める。
 複数落札入札制による場合において、最高価申込者のうち最後の順位の入札者の入札数量が他の最高価申込者の入札数量とあわせて公売財産の数量をこえるときは、そのこえる入札数量については、入札がなかつたものとする。
 税務署長は、複数落札入札制による最高価申込者に対して売却決定をした場合において、買受人のうちに買受代金をその納付の期限までに納付しない者があるときは、開札に引き続き売却決定を行い、かつ、直ちに代金を納付させるときに限り、その者に売却決定をした数量の範囲内において、まず、前項の規定により入札がなかつたものとされた入札数量(買受代金を納付しない買受人の同項の規定により入札がなかつたものとされた入札数量を除く。)につき入札があつたものとし、次に、第1項後段の規定により最高価申込者とならなかつた者を最高価申込者とすることができる。この場合においては、同項後段及び前項の規定を準用する。

(入札又は競り売りの終了の告知等)
第106条  徴収職員は、最高価申込者等を定めたときは、直ちにその氏名及び価額(複数落札入札制による場合には、数量及び単価。次項において同じ。)を呼び上げた後、入札又は競り売りの終了を告知しなければならない。
 前項の場合において、公売した財産が不動産等であるときは、税務署長は、最高価申込者等の氏名、その価額並びに売却決定をする日時及び場所を滞納者及び第96条第1項各号(公売の通知)に掲げる者(以下「利害関係人」という。)のうち知れている者に通知するとともに、これらの事項を公告しなければならない。
 第95条第2項(公売公告の方法)の規定は、前項の公告について準用する。

(再公売)
第107条  税務署長は、公売に付しても入札者等がないとき、入札等の価額が見積価額に達しないとき、又は次順位買受申込者が定められていない場合において次条第2項若しくは第115条第4項(売却決定の取消し)の規定により売却決定を取り消したときは、更に公売に付するものとする。
 税務署長は、前項の規定により公売に付する場合において、必要があると認めるときは、公売財産の見積価額の変更、第95条第1項本文(公売公告)の期間の短縮その他公売の条件の変更をすることができる。
 第96条(公売の通知)の規定は、第1項の規定による公売が直前の公売期日から十日以内に行われるときは、適用しない。
 第1項の規定により公売に付する場合における第99条第1項第1号(見積価額の公告の日)の規定の適用については、同号中「公売の日から三日前の日」とあるのは、「公売の日の前日」とする。

(公売実施の適正化のための措置)
第108条  税務署長は、次に掲げる者に該当すると認められる事実がある者については、その事実があつた後二年間、公売の場所に入ることを制限し、若しくはその場所から退場させ、又は入札等をさせないことができる。その事実があつた後二年を経過しない者を使用人その他の従業者として使用する者及びこれらの者を入札等の代理人とする者についても、また同様とする。
 入札等をしようとする者の公売への参加若しくは入札等、最高価申込者等の決定又は買受人の買受代金の納付を妨げた者
 公売に際して不当に価額を引き下げる目的をもつて連合した者
 偽りの名義で買受申込みをした者
 正当な理由がなく、買受代金の納付の期限までにその代金を納付しない買受人
 故意に公売財産を損傷し、その価額を減少させた者
 前各号に掲げる者のほか、公売又は随意契約による売却の実施を妨げる行為をした者
 前項の規定に該当する者の入札等又はその者を最高価申込者等とする決定については、税務署長は、その入札等がなかつたものとし、又はその決定を取り消すことができるものとする。
 前項の場合において、同項の処分を受けた者の納付した公売保証金があるときは、その公売保証金は、国庫に帰属する。この場合において、第100条第4項(公売保証金の返還)の規定は、適用しない。
 税務署長は、第1項の規定の適用に関し必要があると認めるときは、入札者等の身分に関する証明を求めることができる。

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