第1章 総則(第1条―第6条の4)/酒税法


(昭和二十八年二月二十八日法律第6号)

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最終改正:平成一五年五月三〇日法律第55号


  酒税法(昭和十五年法律第35号)の全部を改正する。


   第1章 総則

(課税物件)
第1条  酒類には、この法律により、酒税を課する。

(酒類の定義及び種類)
第2条  この法律において「酒類」とは、アルコール分一度以上の飲料(薄めてアルコール分一度以上の飲料とすることができるもの(アルコール分が九十度以上のアルコールのうち、第7条第1項の規定による酒類の製造免許を受けた者が酒類の原料としてその免許を受けた製造場において製造するもの以外のものを除く。)又は溶解してアルコール分一度以上の飲料とすることができる粉末状のものを含む。)をいう。
 酒類は、清酒、合成清酒、しようちゆう、みりん、ビール、果実酒類、ウイスキー類、スピリッツ類、リキユール類及び雑酒の十種類に分類する。

(その他の用語の定義)
第3条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
 「アルコール分」とは、温度十五度の時において原容量百分中に含有するエチルアルコールの容量をいう。
 「エキス分」とは、温度十五度の時において原容量百立方センチメートル中に含有する不揮発性成分のグラム数をいう。
 「清酒」とは、次に掲げる酒類をいう。
 米、米こうじ及び水を原料として発酵させて、こしたもの
 米、水及び清酒かす、米こうじその他政令で定める物品を原料として発酵させて、こしたもの(イ又はハに該当するものを除く。)。ただし、その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が米(こうじ米を含む。)の重量を超えないものに限る。
 清酒に清酒かすを加えて、こしたもの
 「合成清酒」とは、アルコール(次号の規定(アルコール分に関する規定を除く。)に該当する酒類(水以外の物品を加えたものを除く。)でアルコール分が三十六度以上四十五度以下のものを含む。第9号及び第8条第3号を除き、以下同じ。)、しようちゆう(水以外の物品を加えたものを除く。第6号において同じ。)又は清酒とぶどう糖その他政令で定める物品を原料として製造した酒類で、その香味、色沢その他の性状が清酒に類似するもの(当該酒類の原料として米又は米を原料の全部若しくは一部として製造した物品を使用したものについては、米(米を原料の全部又は一部として製造した物品の原料となつた米を含む。)の重量の合計が、アルコール分二十度に換算した場合の当該酒類の重量の百分の五を超えないものに限る。)をいう。
 「しようちゆう」とは、アルコール含有物を蒸留した酒類(これに水を加えたもの及び政令で定めるところにより砂糖(政令で定めるものに限る。)その他の政令で定める物品を加えたもの(エキス分が二度未満のものに限る。)を含み、次に掲げるものを除く。)で、アルコール分が四十五度以下(連続式蒸留機(連続して供給されるアルコール含有物を蒸留しつつ、フーゼル油、アルデヒドその他の不純物を取り除くことができる蒸留機をいう。以下同じ。)により蒸留したものについては、アルコール分が三十六度未満)のものをいう。
 発芽させた穀類又は果実(果実を乾燥させ若しくは煮つめたもの又は濃縮させた果汁を含み、なつめやしの実その他政令で定めるものを除く。以下同じ。)を原料の全部又は一部としたもの
 しらかばの炭その他政令で定めるものでこしたもの
 含糖質物(政令で定める砂糖を除く。)を原料の全部又は一部としたもので、そのアルコール含有物の蒸留の際の留出時のアルコール分が九十五度未満のもの
 アルコール含有物を蒸留する際、発生するアルコールに他の物品の成分を浸出させたもの
 「みりん」とは、次に掲げる酒類をいう。
 米及び米こうじにしようちゆう又はアルコールを加えて、こしたもの
 米、米こうじ及びしようちゆう又はアルコールにみりんその他政令で定める物品を加えて、こしたもの
 みりんにしようちゆう又はアルコールを加えたもの
 みりんにみりんかすを加えて、こしたもの
 「ビール」とは、次に掲げる酒類をいう。
 麦芽、ホツプ及び水を原料として発酵させたもの
 麦芽、ホツプ、水及び麦その他の政令で定める物品を原料として発酵させたもの。ただし、その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が麦芽の重量の十分の五を超えないものに限る。
 「果実酒類」とは、次に掲げる酒類をいう。
 果実又は果実及び水を原料として発酵させたもの
 果実又は果実及び水に糖類を加えて発酵させたもの
 イ又はロに掲げる酒類に糖類を加えて発酵させたもの
 イからハまでに掲げる酒類にブランデー、アルコール若しくは政令で定めるスピリッツ(以下この号において「ブランデー等」という。)又は糖類、香味料、色素若しくは水を加えたもの(ブランデー等を加えたものについては、当該ブランデー等のアルコール分の総量(既に加えたブランデー等があるときは、そのブランデー等のアルコール分の総量を加えた数量)が当該ブランデー等を加えた後の酒類のアルコール分の総量の百分の九十を超えるものを除く。ホにおいて同じ。)
 イからニまでに掲げる酒類に植物を浸してその成分を浸出させたもの若しくは薬剤を加えたもの又はこれらの酒類にブランデー等、糖類、香味料、色素若しくは水を加えたもの
 「ウイスキー類」とは、次に掲げる酒類をいう。ただし、イ、ロ又はニに掲げるものについては、第5号ロからニまでに掲げるものに該当しないものに限る。
 発芽させた穀類及び水を原料として糖化させて、発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの(当該アルコール含有物の蒸留の際の留出時のアルコール分が九十五度未満のものに限る。)
 発芽させた穀類及び水によつて穀類を糖化させて、発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの(当該アルコール含有物の蒸留の際の留出時のアルコール分が九十五度未満のものに限る。)
 イ又はロに掲げる酒類にアルコール、スピリッツ、香味料、色素又は水を加えたもの。ただし、イ又はロに掲げる酒類のアルコール分の総量がアルコール、スピリッツ又は香味料を加えた後の酒類のアルコール分の総量の百分の十未満のものを除く。
 果実若しくは果実及び水を原料として発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの又は果実酒(果実酒かすを含む。)を蒸留したもの(当該アルコール含有物又は果実酒の蒸留の際の留出時のアルコール分が九十五度未満のものに限る。)
 ニに掲げる酒類にアルコール、スピリッツ、香味料、色素又は水を加えたもの。ただし、ニに掲げる酒類のアルコール分の総量がアルコール、スピリッツ又は香味料を加えた後の酒類のアルコール分の総量の百分の十未満のものを除く。
 「スピリッツ類」とは、第3号から前号までに掲げる酒類以外の酒類でエキス分が二度未満のもの(麦芽又は麦を原料の一部とした酒類(麦芽又は麦を原料の一部としたアルコール含有物を蒸留したものを原料の一部としたものを除く。以下次号において同じ。)で発泡性を有するものを除く。)をいう。
十一  「リキュール類」とは、酒類と糖類その他の物品(酒類を含み、政令で定めるものを除く。)を原料とした酒類でエキス分が二度以上のもの(第3号から第9号までに掲げる酒類及び麦芽又は麦を原料の一部とした酒類で発泡性を有するもの並びに前条第1項に規定する溶解してアルコール分一度以上の飲料とすることができる粉末状のものを除く。)をいう。
十二  「雑酒」とは、清酒、合成清酒、しようちゆう、みりん、ビール、果実酒類、ウイスキー類、スピリッツ類及びリキュール類以外の酒類をいう。
十三  「酒母」とは、酵母で含糖質物を発酵させることができるもの及び酵母を培養したもので含糖質物を発酵させることができるもの並びにこれらにこうじを混和したもの(製薬用、製パン用、しようゆ製造用その他酒税の保全上支障がないものとして財務省令で定める用途に供せられるものを除く。)をいう。
十四  「もろみ」とは、酒類の原料となる物品に発酵させる手段を講じたもの(酒類の製造の用に供することができるものに限る。)でこし又は蒸留する前のもの(こさない又は蒸留しない酒類に係るものについては、主発酵が終る前のもの)をいう。
十五  「こうじ」とは、でんぷん質物その他政令で定める物品にかび類を繁殖させたもの(当該繁殖させたものから分離させた胞子又は浸出させた酵素を含む。)で、でんぷん質物を糖化させることができるものをいう。
十六  「保税地域」とは、関税法(昭和二十九年法律第61号)第29条に規定する保税地域をいう。

(品目等)
第4条  次の表の上欄に掲げる種類の酒類は、同表の中欄に掲げる品目に分け、その各品目の定義は、同表の下欄に定めるものとする。
種類 品目 定義
しようちゆう しようちゆう甲類 蒸留の方法が連続式蒸留機によるしようちゆう
しようちゆう乙類 しようちゆう甲類以外のしようちゆう
果実酒類 果実酒 前条第8号イからニまでに掲げる果実酒類(同号ロからニまでに掲げる酒類については、アルコール分が十五度以上のものその他政令で定めるものを除く。)
甘味果実酒 果実酒以外の果実酒類
ウイスキー類 ウイスキー 前条第9号イからハまでに掲げるウイスキー類
ブランデー ウイスキー以外のウイスキー類
スピリッツ類 スピリッツ 原料用アルコール以外のスピリッツ類
原料用アルコール 前条第5号の規定(アルコール分に関する規定を除く。)に該当する酒類(水以外の物品を加えたものを除く。)でアルコール分が四十五度をこえるスピリッツ類
雑酒 発泡酒 麦芽又は麦を原料の一部とした酒類で発泡性を有する雑酒
粉末酒 第2条第1項に規定する溶解してアルコール分一度以上の飲料とすることができる粉末状のもの
その他の雑酒 発泡酒及び粉末酒以外の雑酒

 酒類に炭酸ガス(炭酸水を含む。以下この項において同じ。)を加えた酒類の種類及び品目は、この法律で別に定める場合を除き、当該炭酸ガスを加える直前の酒類の種類及び品目とする。
 粉末酒に係る数量の計算は、その重量を基礎として政令で定める方法により行うものとする。

第5条  削除

(納税義務者)
第6条  酒類の製造者は、その製造場から移出した酒類につき、酒税を納める義務がある。
 酒類を保税地域から引き取る者(以下「酒類引取者」という。)は、その引き取る酒類につき、酒税を納める義務がある。

(保税地域に該当する製造場)
第6条の2  酒類の製造場が保税地域に該当する場合には、この法律の適用上、その製造場を保税地域に該当しない酒類の製造場とみなす。

(移出又は引取り等とみなす場合)
第6条の3  次の各号の一に該当するときは、その該当することとなつた時に当該酒類又は酒母若しくはもろみ(以下本条において「酒類等」という。)をその製造場から移出したものとみなす。ただし、第4号の場合において、第28条第1項の規定の適用を受けて酒類の製造場から移出する当該酒類については、この限りでない。
 酒類等が酒類等の製造場において飲用されたとき。ただし、次項の規定に該当する場合を除く。
 第7条第4項の規定により酒類の製造免許に附された期限(同条第5項の規定により当該期限が延長された場合には、その延長後の期限。以下第20条第1項において同じ。)が経過した場合若しくは酒類等の製造免許が取り消された場合(法人が合併又は解散により消滅した場合を含む。)又は酒類等の製造者の相続人につき第19条第2項の規定の適用がない場合において、当該取り消された又は消滅した免許に係る酒類等(第7条第1項ただし書又は第8条ただし書の規定の適用を受けたものを含む。)がその製造場に現存するとき。ただし、当該期限の経過又は第17条第1項の規定による申請に基づく免許の取消しと同時に第20条第1項の規定による酒類の販売の継続を認められた場合を除く。
 第12条(第13条において準用する場合を含む。)の規定により酒類等の製造免許を取り消された者が第20条第1項又は第2項の規定の適用を受けて酒類等を製成したとき。
 酒類等の製造場に現存する酒類等(既に第2号(ただし書を除く。)又は前号の規定の適用を受けた酒類等を除く。)が滞納処分(その例による処分を含む。)、強制執行、担保権の実行としての競売、企業担保権の実行手続又は破産手続により換価されたとき。
 酒類等が酒類等の製造者の製造場において飲用された場合において、その飲用につき、当該製造者の責めに帰することができないときは、その飲用者を当該酒類等に係る酒類等の製造者とみなし、当該飲用者が飲用の時に当該酒類等をその製造場から移出したものとみなして、この法律(第30条の2、第30条の4第1項及び第46条の規定並びにこれらの規定に係る罰則の規定を除く。以下第4項において同じ。)を適用する。
 酒類等が保税地域において飲用される場合には、その飲用者が飲用の時に当該酒類等をその保税地域から引き取るものとみなす。
 酒類等が酒類等の製造者の製造場から移出された場合において、その移出につき、当該製造者の責めに帰することができないときは、当該酒類等を移出した者を酒類等の製造者とみなして、この法律を適用する。
 酒母又はもろみについて前各項の規定の適用があつた場合においては、当該酒母又はもろみは、その他の雑酒とみなし、酒母又はもろみの製造者(酒母又はもろみの製造者とみなされた者を含む。)は、その他の雑酒の製造者とみなす。

(収去酒類等の非課税)
第6条の4  次に掲げる酒類がその製造場から移出され、又は保税地域から引き取られる場合には、当該酒類には、酒税を課さない。
 食品衛生法(昭和二十二年法律第233号)第28条第1項(臨検検査等)の規定により収去される酒類
 薬事法(昭和三十五年法律第145号)第69条第3項(立入検査等)の規定により収去される酒類
 その他前2号に類する酒類で政令で定めるもの

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