第6章 延納及び物納(第38条―第48条)/相続税法


(昭和二十五年三月三十一日法律第73号)

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最終改正:平成一五年五月三〇日法律第54号


  相続税法(昭和二十二年法律第87号)の全部を改正する。


   第6章 延納及び物納

(延納)
第38条  税務署長は、第33条又は国税通則法第35条第2項(申告納税方式による国税等の納付)の規定により納付すべき相続税額が十万円を超え、かつ、納税義務者について納期限までに、又は納付すべき日に金銭で納付することを困難とする事由がある場合においては、納税義務者の申請により、その納付を困難とする金額を限度として、五年以内(相続又は遺贈により取得した財産で当該相続税額の計算の基礎となつたものの価額の合計額(以下「課税相続財産の価額」という。)のうちに不動産、立木その他政令で定める財産の価額の合計額(以下「不動産等の価額」という。)が占める割合が十分の五以上であるときは、不動産等の価額に対応する相続税額として政令で定める部分の税額については十五年以内とし、その他の部分の相続税額については十年以内とする。)の年賦延納を許可することができる。この場合において、延納税額が五十万円(課税相続財産の価額のうちに不動産等の価額が占める割合が十分の五以上である場合には、百五十万円)未満であるときは、当該延納を許可することができる期間は、延納税額を十万円で除して得た数(その数に一未満の端数があるときは、これを一とする。)に相当する年数を超えることができない。
 前項の規定により延納を許可する場合において、延納年割額は、延納税額を延納期間に相当する年数で除して計算した金額(課税相続財産の価額のうちに不動産等の価額が占める割合が十分の五以上である場合には、延納税額を不動産等の価額に対応するものとして政令で定める部分の税額(以下「不動産等に係る延納相続税額」という。)とその他の部分の税額(以下「動産等に係る延納相続税額」という。)とに区分し、これらの税額をそれぞれの延納期間に相当する年数で除して計算した金額)とする。
 税務署長は、第33条又は国税通則法第35条第2項の規定により納付すべき贈与税額が十万円を超え、かつ、納税義務者について納期限までに、又は納付すべき日に金銭で納付することを困難とする事由がある場合においては、納税義務者の申請により、その納付を困難とする金額を限度として、五年以内の年賦延納を許可することができる。
 税務署長は、第1項又は前項の規定による延納の許可をする場合には、その延納税額に相当する担保を徴さなければならない。ただし、その延納税額が五十万円未満で、かつ、その延納期間が三年以下である場合は、この限りでない。

第39条  前条第1項の規定による延納の許可を申請しようとする者は、政令で定めるところにより、その延納を求めようとする相続税の納期限までに、又は納付すべき日に金銭で納付することを困難とする金額及びその困難とする理由、延納を求めようとする税額及び期間、分納税額及びその納期限その他必要な事項を記載した申請書に担保の提供に関する書類を添付し、当該納期限までに、又は納付すべき日に、これを納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
 税務署長は、前項の規定による申請書の提出があつた場合においては、当該申請者及び当該申請に係る事項について前条第1項及び第2項の規定に該当するか否かを調査し、その調査に基づき、当該申請に係る税額の全部又は一部について当該申請に係る条件若しくはこれを変更した条件により延納を許可し、又は当該申請を却下する。ただし、税務署長が延納を許可する場合において、当該申請者の提供しようとする担保が適当でないと認めるときは、その変更を求めることができる。この場合において、当該申請者がその変更の求めに応じなかつたときは、当該申請を却下することができる。
 前2項の規定は、前条第3項の納税義務者が同項の規定による延納の許可を申請する場合及び税務署長が同項の延納に係る許可又は却下をする場合について準用する。この場合において、第1項中「相続税」とあるのは「贈与税」と、前項中「前条第1項及び第2項」とあるのは「前条第3項」と読み替えるものとする。
 税務署長は、第2項(前項において準用する場合を含む。)の規定により許可をし、又は却下をした場合においては、当該許可に係る延納税額及び延納の条件又は当該却下をした旨及びその理由を記載した書面により、これを当該申請者に通知する。
 延納の許可を受けた者は、その後の資力の状況の変化等により延納の条件について変更を求めようとする場合においては、その変更を求めようとする条件その他政令で定める事項を記載した申請書を当該延納を許可した税務署長に提出することができる。この場合において、第2項及び前項の規定は、当該申請書の提出があつた場合について準用する。
 税務署長は、延納の許可を受けた者のその後の資力の状況の変化等により当該許可に係る条件により延納を認めることが適当でないと認める場合においては、その者の弁明を聴いた上、その許可を取り消し、又は延納期間の短縮その他延納の条件の変更をすることができる。
 税務署長は、前項の規定により延納の許可を取り消し、又は延納の条件を変更した場合においては、その旨及びその理由を記載した書面により、これを納税義務者に通知する。

第40条  税務署長は、前条第1項(同条第3項において準用する場合を含む。)の規定による申請書の提出があつた場合において相当の事由があると認めるときは、税金の全部又は一部の徴収を猶予することができる。
 税務署長は、延納の許可を受けた者が延納税額(当該税額に係る利子税又は延滞税に相当する額を含む。)の滞納その他延納の条件に違反したとき、その者が当該延納税額に係る担保につき国税通則法第51条第1項(担保の変更等)の規定による命令に応じなかつたとき、当該延納税額に係る担保物につき国税徴収法(昭和三十四年法律第147号)第2条第12号(定義)に規定する強制換価手続が開始されたとき又は当該延納の許可を受けた者が死亡し、その相続人が限定承認をしたときは、その許可を取り消すことができる。この場合においては、当該強制換価手続が開始されたとき及び限定承認をしたときを除き、あらかじめその者の弁明を聴かなければならない。
 税務署長は、前項の規定により延納の許可を取り消した場合においては、その旨及びその理由を記載した書面により、これを納税義務者に通知する。

(物納)
第41条  税務署長は、納税義務者について第33条又は国税通則法第35条第2項(申告納税方式による国税等の納付)の規定により納付すべき相続税額を延納によつても金銭で納付することを困難とする事由がある場合においては、納税義務者の申請により、その納付を困難とする金額を限度として、物納を許可することができる。
 前項の規定による物納に充てることができる財産は、納税義務者の課税価格計算の基礎となつた財産(当該財産により取得した財産を含み、第21条の9第3項の規定の適用を受ける財産を除く。)でこの法律の施行地にあるもののうち次に掲げるものとする。
 国債及び地方債
 不動産及び船舶
 社債(特別の法律により法人の発行する債券を含み、短期社債等を除く。)及び株式(特別の法律により法人の発行する出資証券を含む。)並びに証券投資信託(投資信託及び投資法人に関する法律第2条第4項(定義)に規定する証券投資信託をいう。)又は貸付信託(貸付信託法(昭和二十七年法律第195号)第2条第1項(定義)に規定する貸付信託をいう。)の受益証券
 動産
 前項第3号に規定する短期社債等とは、次に掲げるものをいう。
 社債等の振替に関する法律(平成十三年法律第75号)第66条第1号(権利の帰属)に規定する短期社債
 商工組合中央金庫法(昭和十一年法律第14号)第33条ノ二(短期商工債券の発行)に規定する短期商工債券
 信用金庫法(昭和二十六年法律第238号)第54条の3の2第1項(全国連合会の短期債券の発行)に規定する短期債券
 保険業法(平成七年法律第105号)第61条の2第1項(短期社債に係る特例)に規定する短期社債
 資産の流動化に関する法律第2条第8項(定義)に規定する特定短期社債(特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律(平成十二年法律第97号)附則第2条第1項(特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律の一部改正に伴う経過措置)の規定によりなおその効力を有するものとされる同法第1条(特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律の一部改正)の規定による改正前の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律(平成十年法律第105号)第2条第6項(定義)に規定する特定短期社債を含む。)
 農林中央金庫法(平成十三年法律第93号)第62条の2第1項(短期農林債券の発行)に規定する短期農林債券
 第2項第3号又は第4号に掲げる財産を物納に充てることができる場合は、税務署長において特別の事情があると認める場合を除くほか、同項第3号に掲げる財産については同項第1号及び第2号に掲げる財産、同項第4号に掲げる財産については同項第1号から第3号までに掲げる財産で納税義務者が物納申請の際現に有するもののうちに適当な価額のものがない場合に限る。

第42条  前条第1項の規定による物納の許可を申請しようとする者は、その物納を求めようとする相続税の納期限又は納付すべき日までに、政令で定めるところにより、金銭で納付することを困難とする金額及びその困難とする事由、物納を求めようとする税額、物納に充てようとする財産の種類及び価額その他必要な事項を記載した申請書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
 税務署長は、前項の規定による申請書の提出があつた場合においては、当該申請者及び当該申請に係る事項について前条の規定に該当するか否かを調査し、その調査に基づき、当該申請に係る税額の全部又は一部について当該申請を許可し、又は当該申請を却下する。ただし、当該申請に係る物納財産が管理又は処分をするのに不適当であると認める場合においては、その変更を求め、当該申請者が第4項の規定による申請書を提出するのをまつて当該申請の許可又は却下をすることができる。
 税務署長は、前項の規定により許可をし、若しくは却下をした場合又は同項ただし書の規定により物納財産の変更を求めようとする場合においては、当該許可に係る税額及び物納財産若しくは当該却下をした旨及びその理由又は当該変更を求めようとする旨及びその理由を記載した書面により、これを当該申請者に通知する。
 第2項ただし書の規定により物納財産の変更を求められた者は、他の財産をもつて物納に充てようとするときは、その旨の通知を受けた日から二十日以内に、その物納に充てようとする財産の種類及び価額その他政令で定める事項を記載した申請書を当該通知をした税務署長に提出しなければならない。当該期間内に申請書の提出がなかつた場合においては、その者は、物納の申請を取り下げたものとみなす。
 第40条第1項の規定は、第1項の規定による申請書の提出があつた場合について準用する。

第43条  物納財産の収納価額は、課税価格計算の基礎となつた当該財産の価額による。ただし、税務署長は、収納の時までに当該財産の状況に著しい変化を生じたときは、収納の時の現況により当該財産の収納価額を定めることができる。
 物納の許可を受けた税額に相当する相続税は、物納財産の引渡し、所有権移転の登記その他法令により第三者に対抗することができる要件を充足した時において、納付があつたものとする。
 物納の許可を受けて相続税を納付した場合において、その相続税について過誤納額があつたときは、その物納に充てた財産は、政令で定めるところにより、納税義務者の申請により、これを過誤納額の還付に充てることができる。ただし、当該財産が換価されていたとき、公用若しくは公共の用に供されており、若しくは供されることが確実であると見込まれるとき又は過誤納額が当該財産の収納価額の二分の一に満たないときは、この限りでない。
 前項の規定により過誤納額の還付に充てる場合における当該財産の価額は、収納価額(国がその財産につき有益費を支出したときは、その費用の額に相当する金額を加算した金額)による。
 税務署長は、物納の許可をした不動産のうちに賃借権その他の不動産を使用する権利の目的となつている不動産がある場合において、当該物納の許可を受けた者が、その後物納に係る相続税を、金銭で一時に納付し、又は政令で定めるところにより延納の許可を受けて納付することができることとなつたときは、当該不動産については、その収納後においても、当該物納の許可を受けた日から一年以内にされたその者の申請により、その物納の撤回を承認することができる。ただし、当該不動産が換価されていたとき又は公用若しくは公共の用に供されており、若しくは供されることが確実であると見込まれるときは、この限りでない。
 前項の規定による延納の許可を申請しようとする者は、第39条第1項の規定にかかわらず、前項の規定による物納の撤回の申請の際に当該延納の許可の申請をすることができる。
 税務署長は、第5項の規定により物納の撤回を承認する場合において、その物納の撤回に係る相続税のうちに金銭で一時に納付すべき相続税があるときは、あらかじめ、その物納の撤回を申請した者に、一時に納付すべき相続税の額を通知しなければならない。この場合において、その物納の撤回を申請した者がその通知書が発せられた日から一月以内にその通知に係る相続税を完納しないときは、その者は、物納の撤回の申請を取り下げたものとみなす。
 第5項の規定による物納の撤回の承認を受けた者は、その物納の撤回に係る相続税の納付に併せて、当該相続税の納期限又は納付すべき日(同日前に物納の許可の申請があつた場合には、当該申請があつた日)の翌日から次の各号に掲げる相続税の区分に応じ当該各号に定める日までの期間につき、政令で定めるところにより計算した金額に相当する利子税を納付しなければならない。
 前項の通知に係る相続税 当該相続税を納付した日
 第5項の規定による延納の許可を受けた相続税 その延納期限(当該期限前に当該相続税の全部の納付があつた場合には、その納付の日)
 第2項の規定により相続税の納付があつたものとされた日後に当該相続税に係る物納の撤回の承認があつた場合には、同日の翌日からその物納の撤回の承認があつた日までの期間に対応する部分の利子税は、前項の規定にかかわらず、納付することを要しないものとし、当該承認に係る不動産につき当該期間内に国が取得すべき賃貸料その他の使用料は、返還することを要しないものとする。
10  物納(その撤回を含む。)及び物納財産の収納に関する手続に関し必要な事項は、政令で定める。

(延納又は物納に関する事務の引継ぎ)
第44条  国税通則法第43条第3項(国税の徴収の所轄庁)の規定により国税局長が延納又は物納に関する事務の引継ぎを受けた場合におけるこの章の規定の適用については、同章中「税務署長」とあるのは、「国税局長」とする。

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